一目惚れの彼女は人の妻
ビジネスでは恒例行事の名刺交換。
先ずは一番立場が上と思われる、右端の中年男性から。その人はやはり偉い人で、経理部長の田中さんという人らしい。
次の三十代半ばと思われる男前の男性は、経理課長の篠崎という人なのだが、なぜか俺の目を見て、フッと笑ったように見えた。
あれ? 俺はこの人と、どこかで会った事があるんだろうか。篠崎という苗字には全く憶えはないが、会った事があったような、ないような……
そんな事より、次はいよいよヒロミさんの番だ。俺は緊張しながら、名刺をヒロミさんの前に差し出した。
「SEの、中山俊輔です」
「経理担当の、田村宏美です」
ああ、やっぱり人違いじゃなかった。
それにしても、宏美さんはなんて魅力的なんだろう。頰をほんのり赤く染め、俺を見つめる黒目がちの澄んだ瞳に、俺はまたしても吸い込まれそうになった。
「戴きます」
宏美さんの、サクランボのような可愛い口が僅かに開いた。ところで、何を"戴きます"なのかな?
宏美さんが欲しいモノなら何でもあげるし、俺の心は、既に貴女のものです。なんてね。
「お名刺……」
ああ、そうだった!
「い、戴きます!」
慌てて俺もそう言い、宏美さんの貴重な名刺を掴んだ、つもりが、手元が狂い、彼女の小さくて柔らかい手を掴んでしまった。すると……
宏美さんは微かに「ひゃっ」と言って手を引き、俺の手は、宏美さんの手を持ったまま、柔らかくて適度に弾力のある、何かに触れてしまった。
その何かとは、またしても宏美さんの胸だった。意外に大きくて、たぶんDカップと思われる。
もちろん、すぐに手を引っ込め、宏美さんを見たが、彼女はボーッとしているだけで、怒ってはいないようだった。
先ずは一番立場が上と思われる、右端の中年男性から。その人はやはり偉い人で、経理部長の田中さんという人らしい。
次の三十代半ばと思われる男前の男性は、経理課長の篠崎という人なのだが、なぜか俺の目を見て、フッと笑ったように見えた。
あれ? 俺はこの人と、どこかで会った事があるんだろうか。篠崎という苗字には全く憶えはないが、会った事があったような、ないような……
そんな事より、次はいよいよヒロミさんの番だ。俺は緊張しながら、名刺をヒロミさんの前に差し出した。
「SEの、中山俊輔です」
「経理担当の、田村宏美です」
ああ、やっぱり人違いじゃなかった。
それにしても、宏美さんはなんて魅力的なんだろう。頰をほんのり赤く染め、俺を見つめる黒目がちの澄んだ瞳に、俺はまたしても吸い込まれそうになった。
「戴きます」
宏美さんの、サクランボのような可愛い口が僅かに開いた。ところで、何を"戴きます"なのかな?
宏美さんが欲しいモノなら何でもあげるし、俺の心は、既に貴女のものです。なんてね。
「お名刺……」
ああ、そうだった!
「い、戴きます!」
慌てて俺もそう言い、宏美さんの貴重な名刺を掴んだ、つもりが、手元が狂い、彼女の小さくて柔らかい手を掴んでしまった。すると……
宏美さんは微かに「ひゃっ」と言って手を引き、俺の手は、宏美さんの手を持ったまま、柔らかくて適度に弾力のある、何かに触れてしまった。
その何かとは、またしても宏美さんの胸だった。意外に大きくて、たぶんDカップと思われる。
もちろん、すぐに手を引っ込め、宏美さんを見たが、彼女はボーッとしているだけで、怒ってはいないようだった。