一目惚れの彼女は人の妻
定時を過ぎ、斎藤さんから「そろそろ行くか?」と言われ、俺は急いで帰り支度をした。
宏美さんが欠席の懇親会なんか、正直なところサボりたい気持ちで一杯だったが、まさかそうする事も出来ず、斎藤さんの横をトボトボ歩いた。
懇親会の会場は、会社から程近い料亭だった。自腹ではまず行く事はない店(?)で、会社の経費で落とすのだと思う。うちが持つのか、先方か、あるいは3社で折半かは知らないが。
仲居さんに案内されて入った和室には、既に協力会社の二人がいて、すぐに立ち上がって「お疲れ様です」と言い、頭を下げられてしまった。明らかに俺より年上の人から頭を下げられるって、いつもの事なのだが恐縮してしまう。
上座の席は空けたまま、俺と斎藤さんは並んで座り、残りのメンバーを待つと、少し経って田中部長がやって来た。「お待たせしてすみません」とか言いながら。
立ち上がりながら、田中部長の後ろに目をやれば、そこに現れたのは篠崎課長……ではなく、なんと、頬をほんのり赤く染めた、宏美さんだった!
宏美さんが欠席の懇親会なんか、正直なところサボりたい気持ちで一杯だったが、まさかそうする事も出来ず、斎藤さんの横をトボトボ歩いた。
懇親会の会場は、会社から程近い料亭だった。自腹ではまず行く事はない店(?)で、会社の経費で落とすのだと思う。うちが持つのか、先方か、あるいは3社で折半かは知らないが。
仲居さんに案内されて入った和室には、既に協力会社の二人がいて、すぐに立ち上がって「お疲れ様です」と言い、頭を下げられてしまった。明らかに俺より年上の人から頭を下げられるって、いつもの事なのだが恐縮してしまう。
上座の席は空けたまま、俺と斎藤さんは並んで座り、残りのメンバーを待つと、少し経って田中部長がやって来た。「お待たせしてすみません」とか言いながら。
立ち上がりながら、田中部長の後ろに目をやれば、そこに現れたのは篠崎課長……ではなく、なんと、頬をほんのり赤く染めた、宏美さんだった!