一目惚れの彼女は人の妻
篠崎課長から言われたからでもないけど、俊君と私は社内の喫茶コーナーへ行った。その場所は、よく面会や打ち合わせに使うから、側から見ても何も違和感はないと思う。
二人ともホットラテをカウンターで買い、丸いテーブルを挟んで、スチールの椅子に腰掛けた。そして、それらしくテーブルにノートを広げて置いたけど、もちろんそれはカモフラージュ。目的は、俊君に痴漢疑惑の件を確認する事だ。
「疲れたね?」
「はい、そうですね」
たったそれだけの会話だけど、なんか、俊君の様子がおかしいと、私は思った。何というか、他人行儀?
きっと疲れてるんだと思う。長い打ち合わせだったから。これも課長から言われたからでもないけど、ゆっくりやろうと思い、私は熱々のラテを口に含んだ。
ふと俊君の視線を感じ、彼を見たのだけど、視線を外されてしまった。
やっぱり今日の俊君、おかしいと思う。どうしたんだろう。
「確認したい所は、どこですか?」
不意に俊君は言った。ビジネスライクな口調で。
「あれは嘘。俊君と話がしたかったの」
そう言って俊君の顔色を伺うと、俊君は、フッと笑った。良かった。やっと笑ってくれた。と思ったのも束の間、
「田村さん、今はお互い仕事中ですから、そういう事は困ります」
なんて、言われてしまった。
「それは分かってるけど、こんな風にしか会えないから……」
なんか私、泣きそう。
二人ともホットラテをカウンターで買い、丸いテーブルを挟んで、スチールの椅子に腰掛けた。そして、それらしくテーブルにノートを広げて置いたけど、もちろんそれはカモフラージュ。目的は、俊君に痴漢疑惑の件を確認する事だ。
「疲れたね?」
「はい、そうですね」
たったそれだけの会話だけど、なんか、俊君の様子がおかしいと、私は思った。何というか、他人行儀?
きっと疲れてるんだと思う。長い打ち合わせだったから。これも課長から言われたからでもないけど、ゆっくりやろうと思い、私は熱々のラテを口に含んだ。
ふと俊君の視線を感じ、彼を見たのだけど、視線を外されてしまった。
やっぱり今日の俊君、おかしいと思う。どうしたんだろう。
「確認したい所は、どこですか?」
不意に俊君は言った。ビジネスライクな口調で。
「あれは嘘。俊君と話がしたかったの」
そう言って俊君の顔色を伺うと、俊君は、フッと笑った。良かった。やっと笑ってくれた。と思ったのも束の間、
「田村さん、今はお互い仕事中ですから、そういう事は困ります」
なんて、言われてしまった。
「それは分かってるけど、こんな風にしか会えないから……」
なんか私、泣きそう。