一目惚れの彼女は人の妻
ところが、
「待って? どうしても聞きたい事があるの」
と宏美さんに言われ、仕方なく俺は再び腰を降ろした。宏美さんが俺に聞きたい事って、何なんだろうか……
「2ヶ月ぐらい前だけど、私、見ちゃったんだ」
宏美さんは声をひそめ、恥ずかしそうにそう言った。実際に恥ずかしい何かを、見たのかな。
「何をですか?」と問うと……
「駅のホームで、俊君が、メイド服を着た女の子に、腕を掴まれてるところを」
あっ、あれかあ。あれを宏美さんが見てたのか。
確かに、あれは恥ずかしかった。しかし、俺にとっては恥ずかしいどころの騒ぎではなく、本当にやばかった。
電車で隣に立ってたコスプレ女が、いきなり俺の腕を掴み、”痴漢!”って叫んだんだ。そしてそのまま駅で降りて、ちょうど降りる駅だから良かったが、その内、誰かが呼んだらしく駅員が来て、俺はひたすら無実を訴えた。
しかしなかなか信じてもらえず、とにかく警察へ、なんて事になった時、別のコスプレ女がオタクっぽい男を引っ張って来て、駅員に”この人痴漢です”って言ったんだ。
そしたら俺を痴漢呼ばわりした女が、”アタシに触ったのはこっちの男かも”って言ってくれ、間一髪で俺の無実は張れたんだ。
それを宏美さんに説明したのだが、なんと宏美さんは、俺をずっと痴漢だと思っていたらしい。
あまりな事に、つい笑ってしまったが、俺はある事に気が付いた。
「待って? どうしても聞きたい事があるの」
と宏美さんに言われ、仕方なく俺は再び腰を降ろした。宏美さんが俺に聞きたい事って、何なんだろうか……
「2ヶ月ぐらい前だけど、私、見ちゃったんだ」
宏美さんは声をひそめ、恥ずかしそうにそう言った。実際に恥ずかしい何かを、見たのかな。
「何をですか?」と問うと……
「駅のホームで、俊君が、メイド服を着た女の子に、腕を掴まれてるところを」
あっ、あれかあ。あれを宏美さんが見てたのか。
確かに、あれは恥ずかしかった。しかし、俺にとっては恥ずかしいどころの騒ぎではなく、本当にやばかった。
電車で隣に立ってたコスプレ女が、いきなり俺の腕を掴み、”痴漢!”って叫んだんだ。そしてそのまま駅で降りて、ちょうど降りる駅だから良かったが、その内、誰かが呼んだらしく駅員が来て、俺はひたすら無実を訴えた。
しかしなかなか信じてもらえず、とにかく警察へ、なんて事になった時、別のコスプレ女がオタクっぽい男を引っ張って来て、駅員に”この人痴漢です”って言ったんだ。
そしたら俺を痴漢呼ばわりした女が、”アタシに触ったのはこっちの男かも”って言ってくれ、間一髪で俺の無実は張れたんだ。
それを宏美さんに説明したのだが、なんと宏美さんは、俺をずっと痴漢だと思っていたらしい。
あまりな事に、つい笑ってしまったが、俺はある事に気が付いた。