一目惚れの彼女は人の妻
3回目の打ち合わせの日。
俺はただひたすらに下を向き、議事録用のメモを取る事だけに集中した。宏美さんの顔は見ないようにしていた。
ただし宏美さんの声は否応なく耳に入って来るわけで、彼女のややハスキーな声が耳に心地よく、俺は彼女の声も好きなんだなと、再認識するのだった。ただ、あまり元気ではなさそうだったが。
2回目よりも、更に長く感じた打ち合わせは終わり、俺はさっさと会議室を出た。その時、俺に会釈した宏美さんは、悲しそうで、何かを言いたそうに見えたのは、俺の思い過ごしだろうか。
そんな顔をしたら、俺、また勘違いしちゃいますよ? 宏美さん。
そう言いたかった。もちろん、口には出さなかったが。
残業をして、かなり遅い時刻に家へ帰ったが、恵美の姿がなかった。晩飯を食いながら、
「母さん、恵美は出掛けてるの?」
と母に聞いたら、
「今日は銀行の飲み会なんだって。支店長さんの歓迎会だそうよ」
との事。あいつも俺と同じで酒は好きな方だから、飲み過ぎて失敗しないといいけどな。なんて、兄らしい事を考えてみたり。
ピラ男にエサをやり、いつもより早めだが、疲れたので寝ようと思ったら、俺のスマホから何かの通知音が聞こえた。スマホを手に取ると、恵美がLINEで俺に画像を送って来ていた。
また飲み会の画像でも送って来たんだろうと、軽い気持ちでそれを見たのだが、眠気も疲れも一気に吹っ飛んでしまった。なぜなら、そこに表示されたのは、男と向かい合う、宏美さんの画像だったから。
俺はただひたすらに下を向き、議事録用のメモを取る事だけに集中した。宏美さんの顔は見ないようにしていた。
ただし宏美さんの声は否応なく耳に入って来るわけで、彼女のややハスキーな声が耳に心地よく、俺は彼女の声も好きなんだなと、再認識するのだった。ただ、あまり元気ではなさそうだったが。
2回目よりも、更に長く感じた打ち合わせは終わり、俺はさっさと会議室を出た。その時、俺に会釈した宏美さんは、悲しそうで、何かを言いたそうに見えたのは、俺の思い過ごしだろうか。
そんな顔をしたら、俺、また勘違いしちゃいますよ? 宏美さん。
そう言いたかった。もちろん、口には出さなかったが。
残業をして、かなり遅い時刻に家へ帰ったが、恵美の姿がなかった。晩飯を食いながら、
「母さん、恵美は出掛けてるの?」
と母に聞いたら、
「今日は銀行の飲み会なんだって。支店長さんの歓迎会だそうよ」
との事。あいつも俺と同じで酒は好きな方だから、飲み過ぎて失敗しないといいけどな。なんて、兄らしい事を考えてみたり。
ピラ男にエサをやり、いつもより早めだが、疲れたので寝ようと思ったら、俺のスマホから何かの通知音が聞こえた。スマホを手に取ると、恵美がLINEで俺に画像を送って来ていた。
また飲み会の画像でも送って来たんだろうと、軽い気持ちでそれを見たのだが、眠気も疲れも一気に吹っ飛んでしまった。なぜなら、そこに表示されたのは、男と向かい合う、宏美さんの画像だったから。