一目惚れの彼女は人の妻
俺は宏美さんの腕を引き、あの公園に入って行った。あの夜と同じく、公園には誰もいなかった。
何の樹かは知らないが、太い樹を背にして、宏美さんに立ってもらった。そんな強引な俺を、宏美さんは不安そうな顔で見つめていた。
俺はポケットからスマホを取り出し、LINEを開いて例の画像を表示させ、それを宏美さんの顔の前に突き出した。宏美さんは、一瞬遅れはしたが、目を見開いて驚いていた。
「しゅ、俊君、これは……」
「妹が撮ったんです。昨夜、同じ居酒屋に妹もいたんですよ」
「妹さんって、もしかして、ホームセンターで……」
「そうです。俺にベタベタしてた子です」
「なんだ。そうだったのかあ。私ったら……」
宏美さんはウフフと笑った。やはり宏美さんは、恵美の事を俺の彼女と思っていたらしい。だとしても、画像の男の件はそっちのけで、呑気に笑う宏美さんに俺は腹が立ち、
「笑うな!」
と、怒鳴ってしまった。当然ながら、宏美さんは目を見開き、びっくりしていた。
「すみません。でも、この男は誰なんですか?」
俺は怒りを抑えつつ、そう言ったのだが、
「名前なんか、どうでもいい男よ」
と、投げやりに答えた宏美さんに、俺は切れてしまった。
「あなたは、どうでもいい男に触らせるんですか!? そんな人なんですか!?」
何の樹かは知らないが、太い樹を背にして、宏美さんに立ってもらった。そんな強引な俺を、宏美さんは不安そうな顔で見つめていた。
俺はポケットからスマホを取り出し、LINEを開いて例の画像を表示させ、それを宏美さんの顔の前に突き出した。宏美さんは、一瞬遅れはしたが、目を見開いて驚いていた。
「しゅ、俊君、これは……」
「妹が撮ったんです。昨夜、同じ居酒屋に妹もいたんですよ」
「妹さんって、もしかして、ホームセンターで……」
「そうです。俺にベタベタしてた子です」
「なんだ。そうだったのかあ。私ったら……」
宏美さんはウフフと笑った。やはり宏美さんは、恵美の事を俺の彼女と思っていたらしい。だとしても、画像の男の件はそっちのけで、呑気に笑う宏美さんに俺は腹が立ち、
「笑うな!」
と、怒鳴ってしまった。当然ながら、宏美さんは目を見開き、びっくりしていた。
「すみません。でも、この男は誰なんですか?」
俺は怒りを抑えつつ、そう言ったのだが、
「名前なんか、どうでもいい男よ」
と、投げやりに答えた宏美さんに、俺は切れてしまった。
「あなたは、どうでもいい男に触らせるんですか!? そんな人なんですか!?」