恐怖と愛

〜由衣〜

 私は…学校に行くことはとても好きだったのに…。
モノが飛んで来たときは流石に学校に行けれなかった。
目の周りはあざが酷かった。
これをやったとき、父親の態度が変わった…。
父親がキッチンに行き冷凍庫から保冷剤を出し、
タオルに包んで持ってきてくれた。

 「おい、大丈夫か?ごめんな…」
って言われたが、保冷剤だけ受け取り慌てて自分の部屋にと閉じこもった。
急に優しくなっても嬉しくないしマジでうざいだけ。

 取り敢えず、明日は学校に行くのは辞めた。
流石にこんな姿では見せたくない。
今日は父親は午前中だけ仕事に行き、午後には帰ってきていた…。

 仕事から帰ってきた時はストレス溜まってるか知らないが、
私の部屋の扉をガンガンと蹴ったりする。
私は帰ってきたって分かった場合は自分の部屋に閉じこもり鍵をかける。
じゃないと、殴られ、蹴られる。
凄く怖い。

 そして夕方頃に買い物を頼まれた。
行きたくなくても親の命令は絶対。
眼帯してお金だけ貰って買い物に行くことにした。

そんな買い物はしないが…

夕飯の材料とか少し揃えた…。

買い物のお釣りはお小遣いになる。

そこに関しては怒らない。

 買い物が終わって鼻歌をしながら帰って行こうとしたら勇気先輩と友美先輩がいて驚いた。

 何でいるのか分からなかった。

 私はバレずに帰りたかった。
しかも帰りが遅くなってしまい、またボコられる…。

 そんな上手くいかず、私は先輩に呼び止められた…。

 「何で言ってくれなかったの?」

先輩にこんな風に言われても私は何も応えられなかった。

 兎に角、今日は無理ってことを伝えて、ここから逃げようとしたが
無理だった。

 「この目はどうしたの?」
友美先輩が驚いた声で言った。

 なんと勇気先輩に腕を掴まれていきなり、袖をめくり上げられた。
あざを見られた…。

 勇気先輩に「これどうしたん?」って言われた。

けど一方的に早く帰りたかった。
だから
 「うぅ…ごめんなさい」と言い逃げようとしたら
父親が来てしまった。

 優しく私に「帰るよ。」って言ってくれても…
私にとってはその優しさが恐怖しかなかった。
 
 
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