恐怖と愛
 私は久しぶりに制服を着た。
そして目のあざは…消えなかったので眼帯していった。

教室に入ったらクラスの子が私を見た。
注目されて嫌な気持ちっていうか、こそこそ話でもするかと思ったら違った。

「大丈夫?」

「どうしたの?」

クラスの子が心配してくれて…
凄く嬉しかった…。
今までになかったことだった。

今日、先生にアンケートして貰いたいってことでしたけど、
特に何もなかったので「特にない」と書いて先生に渡した。

昼食時間に勇気先輩のところに当分、部活を休むことにした。
本当はやりたいけど、出来る状態では、なかった。

先生が来た…。
「その目はどうしたの?」って言われたけど転びましたと言った。

取り敢えずは先生に言うのは辞めとこうと思った。
なぜなら父親にばれたら死に合うかもしれないと思った。

最近は色んなことをしてくる。
普通の暴力だけではなく、
性的暴力をしたり私の下着を勝手にタンスから出したり…

兎に角、注意深く、慎重に行動しないと命がいくつあっても足りない。
父親もバカではないので誰にもバレないところにアザを作るところが多かった。


 私は今月、学校に行くことはなかった。
それは父親が殆ど家にいて、部屋から出ることが出来なかったからだ。
外に行けば…止められ殴る。
そう父親は私のこと、おもちゃの道具しか思ってないのだ。
だから自由に動くことが出来ない。

 しかも出掛けるとしたら昼からが多いため、学校にも行こうと思っても足が向かなかった。

 父が風呂に入っているときに勝手にお金を取る様になった。
前はお小遣いを貰っていたが、最近、荒れるようになってから1,000円しか貰えなかった。

私は勇気を出して聞いてみた。
「バイトしてもいい?」
「ダメだ…!」

 理由聞こうと思ったがこれ以上聞いたら、また機嫌が悪くなって殴ってくるのも怖かったので辞めた。
取り敢えず部屋に戻った。

 学校に行こうと思ったが流石に腕のアザがあったので学校には2週間行かなかった。
私は家に帰るのが遅くなっていった。

麗美と遊び、男と遊びグレていった。

 家に帰れば父親は大抵、寝ているときが多かった。

 6月には学校、頑張って行った。
クラスの子がノートの写しなどLINEで送ってくれて助かっていた。
単位も心配だったため、そろそろ行こうと思った。
6月も1週間経とうしていた。
久しぶりい制服をきた。
しかも夏服…。
腕のあざも消えていたので少しだけ安心した。

私は久しぶりに授業後、体育館に行った。

 私は分かっていた。
これが、最後の部活だと。
だから部活に顔を出したのであった。

 勇気先輩は端っこで水を飲みながら座っていた。
相変わらずカッコいいし私は好きだけど…こんな私とは付き合えない。

だから先輩ありがとう
そして心の中でそう言った。

 私はそっと部活から消えた。


 

< 13 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop