恐怖と愛

〜岩丸君〜

 由衣がバイトに来てから1ヶ月。
覚えるのも早いしバイトの皆から慕われていた。 
俺は凄く、辛そうな由衣を見ていられなかった。

バイトもときも無理して笑ってる感じがした。

由衣は気づいてなかった。


たまたま、ガソリンスタンドが定休日で休みの時に皆で海でバーベキューして
はしゃいだ。

由衣も凄く楽しそうにしてた。


バイト来る前よりとても明るくなっていた。


由衣は何かを隠してると思った。

誰にでも言えないことが…。

麗美に由衣のことを聞こうとしたが…他人のことだし由衣も傷つくかもしれないと思って辞めた。


けどそんな由衣を見てられなくて、守りたくて告った。

断れたけどそんなことでめげなかった。

ある日、由衣の様子が可笑《おか》しかった。

いつもと違う、不安そうな顔…。

由衣は珍しく店長と話していた。

店長が事務所から出てきて「由衣を送ってほしい」って言われた。

俺には何かが起こったことは分かった。

けど詳しいことまでは分からなかった。

けど言われた通りするしかなかった。


由衣に駅でいいから降ろして欲しいって言われたが説明されてないのに
そんな勝手なことはしたくなかった。


喫茶店によっていうのが、しっかりと説明してもらった。

由衣は煙草吸って震えながら話してた。

凄く辛かったんだ。
泣きながら由衣はゆっくりゆっくりと今までの出来事を話してくれた。
しかも一人で苦しみでリスカも辞められない状態って…。

バイトもしてはいけないって…
由衣は一人で抱え込んでいたんだ。


「その勇気先輩とは会ってないの?」

由衣は頷いた。

とりあえず、ここにいても危ないと思い店に出たら由衣の父親の車あってそこには父親もいた。
由衣は震えていた。

俺もたまたま顔が見えたみたが、虐待とかしなそうな顔つきだった。
けど人間って見た目では分からない。


由衣は恐怖の所為で過呼吸になりそんな由衣を抱きしめた。

俺にはこうして抱きしめることしか出来なかった。

ここにずっといる訳には、いかなかったので車を動かしたが
それでも後ろから由衣の父親がついてくる。

由衣が泣き出してしまったため手を握った。


ここまで由衣は我慢してたのかって思った。

同じような環境で育ったわけではない。


だから同じような気持ちが理解できない。

でもどんな由衣でも俺は好きだった。



ずーっと後ろに由衣の父親が後ろがついてくるので仕方なく高速に乗った。

さすがについてくることはなかった。

ドライブをした。

由衣いわく、父親はお金がないらしい。

女や酒などにお金を使ってるみたいだった。

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