恐怖と愛
 私が倒れた日も母親が来たことを説明した。

「由衣はどうしたいの?」

勇気先輩が焦るような感じで言ってきた…。


「いやだよ。あの人たちと一緒に住みたくないよ。

けど住むしかないよね…。」

だって私たちはまだ未成年だから。

「由衣、大丈夫だよ!」

麗美は抱きしめてくれた。

いつも、麗美は私よりも強い。

けど本当は麗美もつらいのに…。


「実は前に由衣の母親から手紙を…貰ったんだ。

手紙の内容は見てないが…その時、由衣の母親が言った言葉は覚えてる。」


「なんて言ったの?」


勇気先輩は言いたくなさそうな顔だった。

だが私がどうしてもってことで言ってくれた。


『私のことは連絡しないで。
探さないで。』


「こっちから連絡もしてないのに…
あっちから私を引き取ってってなんか裏があるような感じがする。」

麗美がそうやって言った。


「手紙は家に置いてあるけど、どうする?
持ってくる?」

私は凄く悩んだ。


独りで読んだら前みたいに過呼吸になる可能性も高い。

だから私は皆に聞いた。


「もし皆がいいって言うなら…
皆の前で読みたい…。

ダメかな?」


「もちろん、いいに決まってるじゃん」

麗美は即答に応えた。


「勇気先輩、次来るとき、持ってきて下さい。」

「分かったよ。」

って明るく話していた。

この時間が凄く楽しい。

けど…私はやることが多かった。

店長が来てくれて皆はバイトに戻った。


店長と私、1対1になって話した。

私は店長にお願いをした。

学校をやめたいって学校側に伝えて欲しいって。

店長は反対したが私はどうしてもそうして欲しかった。


これからは親がいないから自分である程度、できるところまでやらないといけない。

店長からこんな言葉が出た。

「もし良ければ俺の家に一緒に住まないか?」

私は唖然とした。

男性と1対1で会うのはまだ怖いのに…。

そんなことを思ってた。

そうしたら驚く事実があった。

なんと店長は結婚して奥さんとこどもいるらしい。

しかもその子供は私のこと知ってるらしいが店長は教えてくれなかった。

会ってのお楽しみみたい。

今度、奥さんを連れてくるみたい。


私はそれまでに体調を万全にしておかなければいけないって思った。

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