恐怖と愛

〜田村 友美〜

 私は怖いと思った。
由衣ちゃんは大丈夫か不安になった。

あまり外には響かないけど良く聞けば聞こえる。

私はそっと玄関近くまで行った。

「ガシャン」

何かが割れた音だった。

由衣ちゃんはあんなにいつも笑顔でいるのに、どこか暗い感じに見えた。その原因が分かった。

 私は急いで家に帰って親に相談した。

でも解決方法は無いわけでもないがある訳でもなかった。

 
 次の朝。
由衣ちゃんは学校に来てなかった。
LINEも知らないし電話番号とかも知らない。
連絡先、教えて貰えればよかったと後悔をしてる。
昨日のことを勇気に話した。
取り敢えず2人で由衣ちゃんの家に行くことにした。


 部活していても勇気は集中、出来てなく練習もほとんど参加はしてなかった。
皆も由衣ちゃんがいないと雰囲気が盛り上がらない。
そのため今日は早めに部活を切り上げた。

 勇気とバスに乗った。
勇気がこの間、部活やってるときに、あざみたいな紫色のものが腕にあったらしく不思議に思ったらしい。
由衣ちゃんに聞いたら「転んだ」と言い苦笑いしてたみたい。

 バスを降り、由衣ちゃんの家まで行った。
車が1台、停まっていた。
もしかしたら話でも聞けるのではないかと思った。
勇気がチャイムを押した。
男性の声が聞こえ玄関の扉が開いた。

 「はーい。えっと〜どなたですか?」

 「えっと、いきなり伺ってすいません。同じ部活なんですが…。
由衣ちゃんはいらっしゃいますか?」

 「今、買い物に行ってる。
もう帰ってくると思うから、じゃなーな。」
ぶっきらぼうに閉められた。

 スーパーは歩いて10分もしないところにある。
近く公園もあるからそこで待つことにした。

 10分もしないうちに由衣ちゃんがニコニコしながら買い物袋を持って歩いていた。
すぐ見ていつもと違うのが分かった。

右目の方に眼帯をしていた。
< 4 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop