恐怖と愛

〜北瀬 勇気〜

 俺は由衣のことで全然、寝れなかった。

ベッドから重い体を起こし顔を洗って着替えた。

朝食を食べて歯を磨きいつもより早く家を出た。


友美と昨日の公園で待ち合わせた。

由衣のことがどうしても気になった。

 取り敢えず少し移動し由衣の家の近くで様子を伺った。
まだ車はあったため家に伺うのは辞めた。
 
7時半になっても由衣は出て来なかった。
父親もまだいた。

 家の中がどうなってるのか凄く気になった。

 8時になって出てくるかなって思ったら出てこなかった。
もうそろそろ行かないと学校も遅刻になるため仕方なくバスに乗った。


 今日の6時間目は授業は無かったがアンケートがあった。
それは…個人懇談を行うアンケートだった。

 いじめとか虐待とかプライベートとか。

とにかく由衣のことを書いた。

あざがあるとか眼帯のこととか…。

俺が知ってる範囲しか書けないけど、早めに伝えておかないと命が危ないと思った。

 今日も学校も終わった。
友美に1年の担任に由衣の事情を相談しようと思うと伝えた。

 「私も行く。」

絶対にそういうと思ってた。  

兎に角、由衣の担任に話をすることにした。

もちろん俺たちの担任も一緒に。
 
 担任は俺たちに色んなことを聞いた。 

 •まずはどこにあざがあったのか?

 •部活をやっていて不思議な発言、行動とかしていなかったか?

 •ここ最近、激減に痩せていないか?

 •父親はどんな感じの人か?

 •父親の車はどんな車か?

 •外から見て家の雰囲気はどうか?

 1個1個、俺たちは分かる範囲で話した。

先生たちも丁寧にメモしていった。

先生は不思議に思ったことがあるらしい。

それは…なぜ平日にでも父親はいるのかってことだ。

そして母親の話も出て来た。

そう言えば、母親は昨日は居なかった感じはした。
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