そして私は行間の貴方に恋をした
「そして私は行間の貴方に恋をした」

そう言った。

「お前ね・・そんなに真っ直ぐ言うなよ・・」

どんな顔をすれば良いか迷って、結局どんな顔も出来てなかったと思う。きっと変な顔だった。

「まだ返事はしなくていいよ、取り敢えず名前呼んでもらうとこから始める」

華月のそんな言葉で一度も名前を呼んでいなかった事に気が付いた。

「ここまでに7年もかかったんだから、今更1年や2年平気だし」

不敵ない笑みを浮かべる華月は年齢より大人びて見えた。などと思ったが、ふと、華月の年齢を知らない事に思い当たる。

「ん?お前いくつなの?」

「私?昨日で22だけど・・誕生パーティーに顔出しに来たくせに知らなかったの?」

「え・・22?」

「何よ?なんか文句でも?」

ワザとらしく不機嫌な顔をして華月が詰め寄って来る。そんな仕草が素直に可愛いと感じた。

「てっきり10代だと思ってた。幼く見えるのな」


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