そして私は行間の貴方に恋をした
「・・・初めて言われた」

「何が?」

「いっつも年齢より歳上に見られてたから・・」

「そうか?俺にはどっちかってゆうと歳の割に子供っぽく見えたけどな」

不機嫌な演技をするのも忘れているのか、華月は嬉しそうな顔をしていた。そうゆう所も子供っぽいと思ったが口には出さなかった。

「それにしても初対面の時に人をおじさん呼ばわりしといて好きですってどうなんだよ」

「確かにおじさんとは言ったけど、守備範囲外とは言ってないもん」

「守備範囲とか言うな、何と無く響きがいやらしいぞ」

「いやらしいのは太郎でしょ。こないだ私がスカート履いてた時足ばっかり見てた癖に」

「そんなもん見るに決まってんだろ、俺は健全な男だからな」

「変態太郎!じゃあ私そろそろ行くね。また」

「変な四字熟語作って行くなよ。またな」

小さくなって行く華月の背中を見ながら、どうしたものか考えたが、なるようになるだろうと結論付けた。


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