見上げる空は、ただ蒼く
先生と別れて教室に戻る。
先生は味方じゃない。

ハッキリとその事実を
突き付けられて胸が痛かった。

教室に戻って席につく。
奏はどこかに行ったみたいで
席はからっぽだった。

本を開こうとしたとき、いきなり
後ろからバシャッっと音がして
全身がヒヤリとした。

「ごめんねぇ、結乃。間違えて
バケツの水かけちゃった。」

滴り落ちた水が教室の床に染み込んでいく。
全身の体温が奪われていくなかで
私は後悔する。

復学なんてしなければ。

こんな思いをせずにすんだのに。
奏を苦しめることもなかった。
いっそのこと私がこの世に
生まれてこなければよかった。





2人が初めて出会った時には
蒼く澄み渡っていた空が



いつのまにか





その蒼さを失っていた。
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