見上げる空は、ただ蒼く
今日は土曜日。
安定のほぼ帰宅部扱いで
活動が火曜日の放課後しかない
美術部に所属している私は
学校が休みの日だ。

奏はバスケットボール部だから、
きっと今ごろは学校に行っている。

確か、今日は午後から他校との
練習試合があるって言ってたっけ。

本当は見に行きたかったけど、
体調が芳しくなくてベッドから
動くことが出来なかった。

腕をめいっぱい伸ばして机の上の
スマホを取り、メッセージを送信する。

『今日は他校との練習試合
頑張ってね。家からになるけど
ちゃんと応援してるから。』

送信したメッセージは驚いたことに
即既読がついて、私は半ば諦めの
ようなため息をついた。

奏ってば、部活なのになんでスマホ
触る余裕があるの。
そうやって怒りたくなる。でも、
そんな気持ちはいつもかき消されて
しまうんだよね、何故か。

『結乃が応援してくれてるなら
絶対に勝てる。頑張るよ。』

送られてきた返信を見て思わず
紅くなってしまった。
こういうことさらっと言っちゃう
ところがカッコいいんだ。

奏、昔からモテるもんね。

奏と過ごしたいろいろな思い出を
懐かしく思い出しながら私は再び
ベッドの上で目を閉じた。
さぁ、もう一眠りしよう。
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