見上げる空は、ただ蒼く
望、すごい背が高くなってる。

のっちゃんとは小学校のときに
知り合った仲だ。
のっちゃんは小6のとき私や
奏と同じ、1組だった。

中学校にあがるとき、私たちは
小学校と同じ系列の中学校を
選んだけれど、望だけは1人で
偏差値の高い中学を受験して
見事に合格していた気がする。

小学校の頃もよく成績優秀な奏と
2人で点数を張り合っていた。

望と会ったのは、3年ぶりくらいだろうか。
さすがにそこまでの年月が流れたら
見た目も変わるよね。

でも、どうしてのっちゃんは私を
金属バットで殴ったんだろう。

私は朦朧とする意識の中で、
必死に答えを探し求める。

望自身が私に何か恨みでもある?
凜の差し金の可能性だってある。
相手をなんの根拠もないまま
責め立てるのはよくない。

「.........いた....い......。」

後頭部に手をやると、ぬるりと
した液状のものが手にやたら
まとわりつく。言わなくてもわかる。

真っ赤なそれは血、だ。
きっとルミノール反応だってでるだろう。
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