見上げる空は、ただ蒼く
すると、奏は私の肩に
ぎゅっと顔を押し付けてきた。

私の肩に、奏の涙の染みが
少しずつ広がっていく。

「お前、なんでそんなに俺に対して
優しくしてくれんだよ......っ。

俺の前では作り笑いなんてしなくてもいい。
泣いても愚痴ってもいいからさ...
辛いのを隠して笑うのだけはやめて...。

俺ら幼馴染でしょ?
困ったときは頼って。」

震える声でそう告げられて、
私は少し驚く。

作り笑いをしていること。

絶対にバレていないと思ってた。
まさか、逆に奏をここまで思い詰め
させてしまってたなんて。

「ごめんね、奏......っ。奏には
迷惑かけたくなくてずっと辛いのとか
隠そうとしてた。だって私は所詮...」

出来損ないだから。
出来損ないの私には君を好きになる
資格なんてないかもしれない。

でも。

今だけは君を抱き締めさせて。

「奏......奏っ。」

私は奏を抱き締めてただ泣いた。
奏も私のことをしっかりと
抱き締めてくれて。
2人で気の済むまで泣き続けた。
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