見上げる空は、ただ蒼く
奏とも、葉音とも別れた。
もう、私に味方してくれる人
なんていないんだ。

1人ぼっち。

最初からこうしていれば
良かったんだよ。

そうすれば、奏や葉音に迷惑を
かけることもなかったかもしれないのに。

私って......最低だ。
葉音が去った教室で、ぽつんと
孤立したまま弁当を食べ続けた。

忙しい紗綾さんに代わって、
自分の分と奏の分のお弁当を
作るのが私のささやかな日課だ。

奏が学校に来なくなってからも
リビングの机の上に置いていた奏用の
弁当はなくなっていたし、
『ありがとう』と書いてある
メモ書きが置いてあるときもあった。

健康に気を付けながらも色使いや
満足感も得られるように夜中に
研究して献立を組んでいる。

美味しいはずの弁当が、
何故か今は味気なく感じられた。

何を食べても、味がしない。
まるで、心が空っぽになったみたいだ。
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