見上げる空は、ただ蒼く
爽やかな風が吹き抜ける明け方5時。
今日は奏がフランスへと発つ日だ。
私は大きなスーツケースを持った奏に
とびきりの笑顔を向けた。
「いってらっしゃい!」
奏も少し笑って手をあげる。
「結乃のことは心配だけど......
くれぐれも無理だけはしないようにな。」
出掛ける前でさえ自分じゃなくて
相手の心配をする奏は、
本当の優しい人なんだろうな。
そんなことを考えながら手を振って。
奏はフランスへと旅立っていった。
私は小さなため息をついて、
それから学校へ行く準備をした。
このままだといつもより30分早く
学校に着いちゃうけど、まぁいいか。
柔らかな日射しを含む朝陽が上って
街を鮮やかに彩り始める。
制服に着替え終わって朝食を
作っていると、スーツ姿の紗綾さんが
バタバタと階段を降りてきた。
「朝御飯作ってあげられなくてごめんね、
結乃ちゃん。仕事いってきます。」
「いってらっしゃいです、紗綾さん。」
仕事に行く紗綾さんを見送って
1人で朝食を黙々と食べる。
それから髪を整えてバッグを持って。
私は時計を見つつ家を出た。
学校に着くと予想した通り生徒は
まだほとんど来ていなかった。
この時間に学校に来ているのはバスが
2時間に1本しかない離島の子と、
朝練のある強豪の新体操部くらいだ。
今日は奏がフランスへと発つ日だ。
私は大きなスーツケースを持った奏に
とびきりの笑顔を向けた。
「いってらっしゃい!」
奏も少し笑って手をあげる。
「結乃のことは心配だけど......
くれぐれも無理だけはしないようにな。」
出掛ける前でさえ自分じゃなくて
相手の心配をする奏は、
本当の優しい人なんだろうな。
そんなことを考えながら手を振って。
奏はフランスへと旅立っていった。
私は小さなため息をついて、
それから学校へ行く準備をした。
このままだといつもより30分早く
学校に着いちゃうけど、まぁいいか。
柔らかな日射しを含む朝陽が上って
街を鮮やかに彩り始める。
制服に着替え終わって朝食を
作っていると、スーツ姿の紗綾さんが
バタバタと階段を降りてきた。
「朝御飯作ってあげられなくてごめんね、
結乃ちゃん。仕事いってきます。」
「いってらっしゃいです、紗綾さん。」
仕事に行く紗綾さんを見送って
1人で朝食を黙々と食べる。
それから髪を整えてバッグを持って。
私は時計を見つつ家を出た。
学校に着くと予想した通り生徒は
まだほとんど来ていなかった。
この時間に学校に来ているのはバスが
2時間に1本しかない離島の子と、
朝練のある強豪の新体操部くらいだ。