見上げる空は、ただ蒼く
病院に着く。
「兄ちゃん......お代はいらねぇよ。」
代金を支払おうとすると、タクシーの
運転手はヒラヒラっと手を振った。
「え、でも......。」
「いいからいいから。その金は
後の為に取っときな。その代わり...」
そう言って運転手はニカリと笑う。
「帰りもこのタクシー使ってくれよ。
いい報告期待してるぜ。」
「.........はい!ありがとうございます!」
がばっと勢いよく頭を下げて、
タクシーを後にする。
1秒でも早く君に会いたい。
自動ドアが開くまでの時間、
エレベーターを待つ時間さえも
惜しくなってくるんだ。