見上げる空は、ただ蒼く
「疲れたんだよな、結乃も。
今はただ眠ってるだけだろ?
目、覚ませよ。なぁ......っ。」
彼女の顔が、髪が、身体が、
俺の涙でどんどん濡れていく。
そんなとき。
「無駄でしょ。結乃は起きないよ。」
背後で誰かがハッキリと言い放った。
振り返ると、そこに立っていたのは
「......諫早 凜。」
呟くと、ため息と共に訂正された。
「私、親が離婚したから今は近江なの。
近江 凜。あんたら兄妹なんでしょ?
可哀想にね、2人とも望まれない子で。
交換されたんだって?最悪じゃん。」
「どうして、それを......。」
じゃあ、やっぱりラジオを盗んで
結乃を自殺未遂に追い込んだのは。
「犯人は、私。私がやったの。」
そう言って彼女が薄く笑った瞬間に
俺の中で何かがブチりと切れた。
「ふざけんなぁぁぁぁあっ!」