見上げる空は、ただ蒼く
すると、彼はこちらに目を向けて
ぱちぱちと瞬きする。

それから、何故か嬉しそうに笑って
彼は言い放った。

「葉音、愛されてんじゃん。」

「......へっ?」

予想していなかった答えに、
自分の口から間抜けな声がでた。

「なんで、断言なんか出来るのよ。
奏は私じゃないんだから
そんなの分からないでしょ。」

「いや。だって、俺と結乃が
葉音のこと愛してるってちゃんと
断言出来るから。もし仮に家族から
愛されてなかったとしても、葉音は
俺たちに愛されてる。
それだけでいいじゃんか。」

「.........っ馬鹿。泣かせないでよね。」

顔を隠してそっと涙を拭う。

『葉音は俺たちに愛されてる。
それだけでいいじゃんか。』

ありがとう、2人とも。
2人のおかげで私、幸せだよ。
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