見上げる空は、ただ蒼く
「お母さん、最近お酒飲み過ぎ
じゃない?やめた方がいいよ。」

お母さんの酷い酒癖を、たった
1度だけ、注意したことがある。

「結乃に言われたくないわ。
貴女は私のおかげでこうして
小学校に通って綺麗な服を着て
ご飯を食べられているのよ?
口答えしないで。黙って言うこと
聞きなさい!」

パシッと鋭い音がして、左頬に
手をやるとぬるりとした液体が
手にまとわりついた。

それは、血だった。
真っ赤な鮮血が、私の頬を伝って
フローリングに染みを作る。

すぐには何が起こったのか把握
することが出来なかったけれど、
呆然とした表情でこちらを
見つめる母と自分の手についた
血で、段々と事実が分かってきた。

「お母さん......?」

今、私を叩いたの?

「なんか、言ってよ......!!」
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