見上げる空は、ただ蒼く
「俺も嘘だと良いって思ったことは
数えきれないほどあるよ。でもさ、
嘘じゃねぇんだよ。どれだけ嘘だと
願っても、事実は変えられないんだ。」

「じゃあ、結乃が自殺未遂したのは...
そのことが関係してるのね。
結乃は知ってたんでしょう。
自分の本当の親が誰なのかってこと。」

静かに尋ねる。
彼は苦しそうだった。

どれだけその残酷な事実に
1人で傷付いてきたんだろう。

嘘であってほしいと
願ったんだろう。

私に彼の苦しみは計り知れない。

だけど、支えることなら出来るから。

「結乃は、知らないんだ。」

奏の言葉に私は目を見開いた。

「結乃は.........知らなかったの?」

「あぁ。俺は中2の時に偶然知ったん
だけど、アイツはきっと傷つくよな
って思って隠してたんだ。

だからあのラジオの音声を聞いて、
結乃は自分の本当の親のことを初めて
知ったんだよ。」
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