見上げる空は、ただ蒼く
「どう、して......?私のこと、ちゃんと
責めてよ。今回は私が悪いから。」

視界が眩む。
私のせいで、結乃は。

「いや、葉音のせいじゃないよ。これは
俺と結乃、双方の両親が問題だから。
葉音が悪いんじゃない。隠してた俺と
俺たちを物扱いした親に責任がある。」

「私はっ!奏は悪くないと思うよ。
奏はいつも結乃のために頑張ってて
結乃が危険に晒されたら必ず助けてる。
本当にすごい。結乃と奏は、言わずと
知れた最高の幼馴染みなの。」

そうだ。

2人は最高の幼馴染み。
信頼関係は誰よりも強いはずだ。

「ありがとな、葉音。」

「ううん、こちらこそありがと。
結乃が目覚めたらちゃんと自分の想い
伝えなよ?結乃は可愛いんだから
他の男に盗られちゃうかも。」

からかうと、彼は不敵な笑みで
自信があるように言う。

「俺を誰だと思ってんの。好きな子を
渡すような奴じゃねーから、俺は。」
< 233 / 273 >

この作品をシェア

pagetop