見上げる空は、ただ蒼く
親に伝えてないのか。
ため息をつきつつ私はソファを指差す。

「いいよ、泊めてあげる。だけど
うちはベッドが1つしかないから
ソファ使って。ベッドは譲らないよ。
あと、着替えはたぶん奥の部屋に
お父さんのがあると思うから自由に
使ってくれて大丈夫。」

「ソファかよ......。」

「文句あるなら野宿ね。」

キッと言い放つと彼は苦笑いしながら
はいはいと言って頭を掻く。

「文句はないですよ、委員長。
風呂はお先にどーぞ。てきとーに
着替え探してくる。」

奏がふらふらと部屋を出ていく。
明日からの事件調査。

ほんの少しだけ、嫌な予感がした。
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