見上げる空は、ただ蒼く
『私と奏、今2人で奏の家の
近くの公園にいるからすぐ来て。
早く来てよ、それじゃあ。』

葉音はそれだけ言うと私が
何かを言う間も与えずにぶつりと
電話を切ってしまった。

カタリ。

手から滑り落ちたスマホが
床にぶつかって音を立てる。

どうしよう。

私はあまりにも大きなミスを
犯してしまったんだ。

葉音になんて言えばいい?
どうすれば事実を隠し通せる?

これじゃあ、あの子を守れない。
守れないなら私が嘘ついた
意味はなくなってしまうんだ。

私にとってあの子は
たった1人きりの大切な......




             ××なのに。
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