見上げる空は、ただ蒼く
「ラジオを盗ったのは私じゃないよ。
靴箱に紙をいれたのも、屋上に
呼び出したのも。全部やったのは
私じゃない、それは分かってるでしょ?

やったのは......私の双子の弟だよ。
近江 璃依。アンタは覚えてるかもね。」

凜は嫌そうな表情をしながら
奏に向かって吐き捨てるように言う。

「覚えてるよ、忘れるわけない。」

奏がハッキリとした口調で
言いながら凜を問い詰めるように
キツく睨み付ける。

「璃依は、結乃のストーカーだろ。
アイツはずっと不登校だったよな。

小学生の時、結乃に殴られたって
言って交番を訪ねたのは、凜。

お前じゃない。本当は弟の璃依の方
だったんだろ?」

「......え?!」

奏の口から出てきた言葉に驚いた。

凜の双子の弟が結乃のストーカーで
しかも凜が璃依のフリをした?

意味が分からない。
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