見上げる空は、ただ蒼く
医師が病室を出ていったと
ほぼ同時に、葉音が息を切らして
病室に飛び込んできた。

「は、おん......?」

眠り続けていたせいか
少し出にくいかすれた声で
葉音の名前を呼ぶと、
彼女は良かった、と1言呟いて
病室の床にへたりこんだ。

「あのね、結乃。よく聞いて。
今回の事件の犯人は凜じゃないよ。」

そう言って葉音は、
私が眠っている間に奏と2人で
突き止めた真相を話してくれた。

犯人が凜ではなく璃依だったことや、
偽の電話が掛かってきたことを
聞いたときはさすがにかなり驚いた。

璃依なんて、もう何年も
顔さえ見ていないと思っていた。

それに病院の名を語って人を
亡くなったと偽の情報を流す人は
最低だと思う。

葉音がすべてを話したあと、
不思議そうに首をかしげた。
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