見上げる空は、ただ蒼く
結乃は俺の隣まで来ると
ぎゅっと俺の手を握った。

「私はここにいるよ。」

「嘘、だろ。」

ふわりとした笑みが俺に向けられる。

「もう2度と離さない。」

「もう2度と離れないよ。」

お互いの手を固く握り合う。

「全部、終わりにしようか。」

「そうだね。」


深く息を吸い込む。


「「病めるときも、

健やかなるときも、

死して尚、君の傍に。」」






2人の影が、蒼に、溶けた。
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