見上げる空は、ただ蒼く
暖かな春風が吹きわたる4月の校舎。
校内では来月の学園祭に向けて慌ただしく
準備がすすめられていた。

ここは私の通う私立双葉学園中高等学校。
私がいるクラスは中3Aで、うちのクラスは
今年、演劇をやることになっている。

内容は王道のロミオとジュリエット。

今は誰がどの役をやるのか委員長を中心に
みんなで相談をしているところだ。

「主役から決めないとね。
誰かやりたい人いる~?」

委員長が軽いタッチで聞いているけれど、
みんなあまりやる気がないから
相談はさっきから全くすすんでいない。

「くじ引きにすればいいじゃん。
1つだけ赤いの入れといて、
それ引いた女子がジュリエットで、
男子がロミオやればいいんじゃねーの。」

誰かがめんどくさそうに発言した。
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