見上げる空は、ただ蒼く
登下校も、奏君と一緒。
小6で、同じクラスになった
から学校でも家でもずっと
一緒に過ごしていた。

そんな、ある日のこと。

奏君と2人で学校に行くと、
私たちの教室がなんだか
ものすごく騒がしかった。

「どうしたんだろう?」

首を傾げつつ教室に入って、
私は呆然とその場に立ち尽くす。

『お化け屋敷の子』

『化け物』

さまざまな悪口が私の机に
ネームペンで書きなぐられていた。

どうして。

私があの家の子だっていうのは
ずっと隠してきたのに。

なんでバレたの。

登校してきた私に気づいた1人が
大声をあげた。

「みんな、化け物が来たぜ。」

教室のあちこちからあがる嘲笑。

「髪とかボサボサだし、
本当に化け物みたい。」

「なんか汚いよね~。」

私は唇をぎゅっと噛み締める。
そっと視線を隣にずらすと、
奏君は、じっとうつむいていた。
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