見上げる空は、ただ蒼く
「結乃のバーカ。」

幼馴染みからの突然の暴言に
私は思わず驚きの声をあげた。

「えぇっ?いきなりバカは
奏もちょっと酷いと思う。」

そう言うと、奏は私をぎゅっと
抱き締めたまま続けた。

「俺は絶対に結乃の敵になったり
しないから。例え結乃がクラス
の奴らや今の母さんや父さんに
嫌われたとしても俺はずっと
今まで通りお前の幼馴染みで、
味方だって誓う。」

「......奏、ありがとう。いつも
いつも迷惑かけてばっかりで。
泣き虫でバカでどうしようも
ない私だけど。それでいいなら
これからもよろしくね。」

「お前、バカじゃないでしょ。」

白い歯を見せて笑う彼を見て、
私も思わず口角が上がった。

奏が私を腕の中から解放して
2人で向かい合う。

いろいろな気持ちをぶつけて、
本音を叫んで。
気付けば涙も乾いていた。

奏の瞳に映る自分は、常に
笑っているようにしよう。

キラキラ輝いて見えるように、
今からでも頑張っていこう。

そう思えた。
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