見上げる空は、ただ蒼く
次の日。

私と奏は久しぶりに2人で
一緒に学校へと向かっていた。
私は、今日からまたこの
学校に復学する予定だ。

「母さんが心配してたけど、
良かったのか?違う学校に
転校とかしなくて。」

奏の問いに、私は頷いた。
私が凜のすりかえたナイフで
怪我をしたとき、紗綾さんは
かなり取り乱していたらしい。

見放された私に、忘れていた
家族の愛を思い出させてくれる
紗綾さんは、とても大切な人。

だから、出来る限り心配は
かけたくないと思っている。

「いいの。私は奏と一緒にこの
中学校に通いたいから。」

にっこりと微笑むと、奏は
やっと安心したみたいだった。
まず電車で学校の近くの最寄り駅
まで行って、そこからはバスに乗り換える。

暗記しそうなほど聞きなれた
通学路のバス停の6つ目、
学園正門前で降りればもう
そこには見慣れたうちの学校の
校舎が建っていた。
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