見上げる空は、ただ蒼く
そうとう頭にきている様子の
奏は、じろりと教室の全員を
睨み付けてから続けた。

「凜だけじゃない。お前ら全員
許さない。結乃がどんな想い
して1ヶ月の間過ごしてきた
のか、今日この教室にいるのか
お前らには分かんのか?
俺は結乃を傷つける奴を許さない。
お前らがした行動は最っ低なんだよ!」

「へーえ?学年1のイケメンとも
呼ばれる神影君は幼馴染みの
バカのことが好きなんだ。」

そう言いながら凜はいきなり
私の服の襟を力の限り
ぐいと引っ張った。

私はバランスを崩してベランダ
から上半身を乗り出すような
体勢になってしまう。

「アンタがこれ以上歯向かうよう
なら私はこのバカを今ここで
ベランダから突き落とす。そう
されたくないなら大人しくしな。
結乃は解放してあげっから。」

「......わかったよ。」

奏はあくまで凜を睨み付けながら
降参というように両手をあげた。

「俺はなにもしないから。結乃を
解放してやってくれ。」
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