あなたのこと、好きだけど。
私は直ぐに何を隠しているのかわかってしまったので、先生に問いかけた。
「こんなところで先生がタバコ吸っていいんですかねー?」
資料室に入った瞬間ふわっと香った、嗅ぎなれた匂い。
懐かしい匂い。大好きな匂い。
でもそこにいるのは全くの別人で。
「ちくしょー。バレたかぁ〜。ごめんなー、なんか用か?」
まあ別にバレても支障はないんだろうけど、あっさりしすぎじゃね?
「白石さぁ、秘密にしてくんねぇかな?頼む!俺のオアシスなんだよぉ〜…」
必死に頼んでいるこの先生は東(あずま)先生。
私の国語の担当の先生だ。