あなたのこと、好きだけど。
それが私は、たまらなく美しく感じてしまったんだ。
だから好きなんだ。
人を愛する。でもその人は私のことを好きじゃない。他の人を見てる。
なんて素敵なんだろう。
私はこれくらいがちょうどいいんだ。
両思いなんて、恐れ多い。
私はこれでいいんだ。
私はもう一本、タバコに火をつけた。
大好きなセブンスターの香り。
資料室に漂う、ゆったりとしたこの香りが大好きだ。
本の香りと相まって、また素晴らしい。
このゆったりとしている時が、ちまちまと流れていく時間が、私はたまらなく好きだった。
1人なら、もっと最高だったんだけどね。
「白石、セブンスターなんだな。俺と一緒。」
「そうですね。私はセブンスターしか吸いませんから。」