先輩と二人だけのあまい時間
休み時間も、授業中も。



気づいたら、昼休みになってて。



いつもだったら練習に行くけど、あそこに行く気にもなれなくってまた、机に突っ伏した。



「那央、なんか普通科の先輩が呼んでるよ。」



ポンポンと私の肩を叩いて起こすのは、親友の遼(ハルカ)。



普通科の先輩って、もしかして・・・



期待を胸に教室の出入口に目を向ける。



居たのは、知らない先輩。




知らないけど、呼ばれたのなら行くしかない。
重たい腰を持ち上げて、先輩のいる方へ歩む。



「古河那央ちゃん?」



『そうですけど・・・』




貴方は誰ですか?



「俺は、まぁいいか。
めんどくさいから。
あ、強いと言えば糸居綾仁の友人。」



『はぁ。』



無気力な姿勢で面倒くさそうな表情で話す目の前の人。
今までに会ったことのないタイプで反応に困る。
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