先輩と二人だけのあまい時間
バックから乱暴に楽譜を出す。
朝弾いてたやつじゃない。
今日、授業で貰った楽譜。
中学生の頃に少し弾いたことがある。
あの時は、あんまり上手く弾けなかったけど、今なら弾ける。
目を瞑って、自分の世界に入り浸る。
鍵に触れて、初めの一音を奏でる。
「愛の悲しみ。」
ぎゅっと暖かい手が後ろから回ってきた。
苦しいくらいに抱きしめられた。
「ごめん、悲しませて。
俺がちゃんと話してればこんなことにはならなかったのに。
本当にごめん。」
『先輩・・・』
冷たい鍵から手を離した私は暖かい手を握る。
「はい、いい雰囲気なとこ悪いけどめんどくさいからさっさと終わらすよ。
とりあえず、お前はこっち。」
先輩の腕を強く引っぱって私から引き剥がすのは、昼休みと同様に無気力な彼。
「はい、ここ。」
先輩の手を掴んで椅子に持ってくと、先輩は黙って座る。
朝弾いてたやつじゃない。
今日、授業で貰った楽譜。
中学生の頃に少し弾いたことがある。
あの時は、あんまり上手く弾けなかったけど、今なら弾ける。
目を瞑って、自分の世界に入り浸る。
鍵に触れて、初めの一音を奏でる。
「愛の悲しみ。」
ぎゅっと暖かい手が後ろから回ってきた。
苦しいくらいに抱きしめられた。
「ごめん、悲しませて。
俺がちゃんと話してればこんなことにはならなかったのに。
本当にごめん。」
『先輩・・・』
冷たい鍵から手を離した私は暖かい手を握る。
「はい、いい雰囲気なとこ悪いけどめんどくさいからさっさと終わらすよ。
とりあえず、お前はこっち。」
先輩の腕を強く引っぱって私から引き剥がすのは、昼休みと同様に無気力な彼。
「はい、ここ。」
先輩の手を掴んで椅子に持ってくと、先輩は黙って座る。