先輩と二人だけのあまい時間
『めんどくさいなんて思いませんよ。
ただ、こういうの初めてだからちょっと恥ずかしくて。
今度、どこ行くか決めましょうね。』



先輩の座ってる椅子に掛かっているコートを肩に掛けてあげる。



今度こそ、帰らないと。
レッスン室の使用時間もそろそろ近づいてきた。



『蓮先輩も随分待たせちゃってますし、そろそろ行きましょう。』



先輩がコートを着たことを確認して手を繋ぐ。



レッスン室の鍵を返して、教室に行くと本を読んでる蓮先輩がいた。



『お待たせしました。』



「すごい待たされた。」



『すみません。』



本を机にしまって、こっちにきた先輩はやっぱりだるそうだった。



「ちゃんと話せたんだろうな。」



「うん、ちゃんと話した。」



「あれは、渡した?」



「美味しかった。」



キャラメルの事かな。



「食べたのかよ。」



この2人本当に仲いいな。
< 26 / 29 >

この作品をシェア

pagetop