先輩と二人だけのあまい時間
今日はいつもとちがう。



『おはようございます。』



「おはよ。」



「はよ、そんじゃ。」



職員室前で2人の先輩の挨拶をして、2人でレッスン室に入る。



『今日も冷たいんですね、手。』



昨日暖かかった手は、また氷のように冷たい。



『どうぞ。』



握ってた手を椅子において座ってもらう。
そして、ポケットから取り出したカイロを冷たい手の上に優しく置いた。



「ありがとう。
俺の事気にせずに練習してね。」



『はい、そうします。』



ピアノの準備をして、バックから譜面を取り出す。
窓の向こうにいた私の好きな人は隣にいる。



ピアノと向き合って、集中する。



これからも永く続くように。



私と綾仁先輩、2人だけの夢のような時間。






これからもずっとよろしくお願いします。






願いを込めて、一音を。




優しく、やさしく奏でる。
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