Reality~偽りの歌姫~《完》
ジュリアから離れ、車の外に目をやる。

間違いない……

カメラのフラッシュだ。



車を降りようとした俺の手をジュリアがつかんだ。

「写真ぐらい撮らせておけばいいじゃん。
遼とのこと、記事になっちゃえばいいんだ……」

涙をたくさん目に溜めて、俺の手を強く引くジュリア。



どこのカメラマンかだけでも確認したかったが……

ジュリアの手を離させると、そのまま車を発進させた。
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