Reality~偽りの歌姫~《完》
「ジュリアとは、付き合ってない。それだけは本当だ」

「付き合ってないのに、どうしてあんな写真が撮られるんだよ」

麗は、俺の話を聞く耳を持たないのだろうか。

俺が言い訳すればするほど、逆効果になっている気がする。



「だから……ジュリアが強引にキスしてきただけだ」

麗をなだめるように言った。



「そんなの言い訳だろ?
男が女に無理やりキスされたなんて……情けないと思わないのかよ!」

声を荒げ、俺につかみかかろうとする麗。



今の麗には、何を言っても無駄のようだ。

言葉では上手く伝わらない。



諦めに近い気持ちで、麗の手をグッとつかんだ。
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