Reality~偽りの歌姫~《完》
「何言ってんだよ!」

ちょっとした(おど)しのつもりだった。



いたって頭は冷静なはずだが……

伝えたい想いが、自分の中にあったのかもしれない。

抑えていたはずの感情が、わずかなキッカケで動き出してしまう瞬間がある。

何もかも麗にぶつけてしまおうか。



自分の中の葛藤(かっとう)(たたか)いながら、麗を押さえる手の力を強めた。
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