Reality~偽りの歌姫~《完》
「遼、離せっ……!」

俺の手を振りほどこうとする麗。



何をどうしたいのか、自分でもわからない。



ただ確実に言えるのは……

この想いは、いつまでも隠し続けられるものではない。



「麗、よく聞け。俺はジュリアと付き合ってるわけじゃない」

これ以上言っても、麗を動揺させるだけだろうか。

「俺が好きなのは……ジュリアじゃない」



迷いを振り払って、まっすぐ麗に視線を向けた。
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