Reality~偽りの歌姫~《完》
「お前はMだから、ジュリにいじめられて喜んでるんじゃないのか?」

俺の言葉に、和樹は顔を上げた。

「そんなことないよ!ジュリだって、昔はけっこう優しかったんだから。今は…こんなだけど……」

最後のほうは、消えそうな声だった。

ため息を一つついて、また雑誌に視線を戻す和樹。



ートントン

静まり返っている控え室に、ドアをノックする音が響いた。
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