Reality~偽りの歌姫~《完》
頭に添えられままの麗の手。

その細いラインを隠すように、ダボダボの洋服で(おお)われているが……

(わず)かににめくられた袖から、白い肌が見え隠れしている。



その曲線的なラインと肌の質感。

こいつは本当に男なのだろうか。



麗が男じゃないとしたら……

今まで不審に思っていたことが、全て解決する。



デビュー前に、メンバーのことはよく知っておくべきだ。



リーダーとしての責任感だけではなく、個人的に麗に興味を持ってしまった気もしなくはないが……

麗と二人きりになれるチャンスは意外と少ない。



俺は覚悟を決めて、麗の隣に座った。
< 15 / 271 >

この作品をシェア

pagetop