Reality~偽りの歌姫~《完》
「……遼」

俺の顔を確認すると、顔の面積の大部分を占めているサングラスを外した。



「どうした、こんな時間に?」

「あのさ……ちょっといい?」

いつもはズカズカと俺の部屋に上がりこむジュリア。

今日はうつむき気味にドアの前で立ちすくんでいる。



「今日は妙におとなしいな……」

「……いつもでしょ?」

その姿を見て笑う俺に、ジュリアは不満そうな顔を向けた。



「…入れよ」

俺にうながされ、ジュリアは部屋に入った。
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