Reality~偽りの歌姫~《完》
「麗……俺に何か隠してないか?」

(うつむ)いていた麗が、顔を上げた。

その真意を探るかのように、俺を見上げる麗。



「何を……?」

そう言い終えると、麗は目をそらした。



麗が本当に女性だった場合のことを考えると、あまり手荒な真似(まね)はしたくないが……

真実が知りたい。



俺は、咄嗟(とっさ)に麗の腕を(つか)んだ。
< 16 / 271 >

この作品をシェア

pagetop